オープンソースを活用する企業として:ドイツAlmaLinux Day参加レポート

オープンソースを活用する企業として:ドイツAlmaLinux Day参加レポート

こんにちは、プライム・ストラテジー取締役副社長、KUSANAGIのプロダクトマネジャーの相原です。

ドイツで開催されたAlmaLinux Day: GermanyとCloudFest 2024に参加してきました。
このコラムではAlmaLinux Dayについてレポートします。

AlmaLinux OS と AlmaLinux Day

AlmaLinux OSは、WordPressのようにコミュニティが管理しているオープンソースのOSです。RHEL®とバイナリ互換性があるエンタープライズ向けのLinuxディストリビューションで、無料で利用することができます。

CentOSのサポート終了に伴い、後継となるOSの選択肢のひとつとしての注目度も高く、私たちもKUSANAGI 9のベースOS(※)として採用しています。

※現時点でのKUSANAGI 9のベースOSはAlmaLinux OS 8/9、CentOS Stream 8/9 の4種類です

AlmaLinux OS Foundation

AlmaLinux OSを支えている団体がAlmaLinux OS Foundationです。当社は「Contributor Member」として参加しています。

AlmaLinux Dayとは

AlmaLinux DayはAlmaLinux OS Foundationが主催するAlmaLinuxのコミュニティイベントです。2023年の12月には第1回目のAlmaLinux Dayが東京で開催されました。

”No drama, just linux.” AlmaLinux Day: Germany

ドイツで開催されることが決まった2回目のAlmaLinux Day。基調講演の中でコミュニティ企業の取組みを紹介したいと、AlmaLinux OS Foundationの Chair、bennyさんから直接のお声がけをいただき、参加を決定しました。

AlmaLinux Day Key note( 基調講演 )

基調講演は、AlmaLinux OS Foundationの Chair、bennyさんのエネルギッシュなスピーチで始まりました。AlmaLinuxの歴史、コミュニティ、Elevateプロジェクトの紹介など。

基調講演のスライドはこちらで公開されています。(動画は追って公開されると聞いています)https://almalinux.org/files/2024/aldg_2024_keynote.pdf

KUSANAGIの価値は、”Faster, Safer, Freedom”

KUSANAGIの3つの価値は、Faster – 高速であること、Safer – 安全であること、Freedom – 自由であることです。高速であるということは皆さまにも知って頂いていると思いますが、デフォルトでセキュリティ機能を組み込んだり、迅速なアップデートの配信など、安全に使っていただくため、セキュリティについても取り組んでいます。

また、KUSANAGIはメジャーなクラウドならどこでも、同じ構成で使うことができます(Freedom of platform)。そしてVMなのでsshでコントロールができることはもちろん、PHPのバージョンやWebサーバ(httpd/nginx)を選ぶことができるという自由さ(Freedom of configuration)を持っています。

KUSANAGIとAlmaLinux

私達がKUSANAGIのOSとしてAlmaLinuxを採用した理由は、

  • エンタープライズ向けであること
  • RHELとCentOSに互換性があること
  • セキュリティに配慮されていること
  • 強力なコミュニティに支えられていること

の4点です。

そして、「AlmaLinuxに貢献し、ともに成長していきたい」という思いを、KUSANAGI開発リーダーの石川がスピーチしました。

CentOSからの移行~Elevateプロジェクト

まもなくサポート終了をむかえるCentOSからの移行は、OSの選択やミドルウェアやアプリケーションのアップデートを伴う移行作業など考慮すべきことも多く、場合よっては膨大な工数がかかることが想定されるため、難しい問題となっています。

基調講演で紹介されたElevateプロジェクトでは、CentOS 7からAlmaLinuxなどのOSへの移行の手段が開発されており、これらの課題への解決策の一つと言えると思います。

https://almalinux.org/elevate

基調講演のスライドより

わたしたちにとっても、KUSANAGI 8から9への移行や間もなくEOLをむかえるCentOS Stream 8 ベースのKUSANAGIからの移行を容易にすることで、ユーザーの皆さまをサポートすることは大きな課題でもあり使命でもあると考えています。ですから、このプロジェクトについても非常に興味があり、個別に色々な技術情報をお伺いしてきました。

アウトプットの第1弾として以下の記事を公開しましたので、CentOS Stream 8ベースのKUSANAGIをご利用の方はぜひ参考にしていただければと思います。
AlmaLinux 提供のスクリプトで CentOS Stream 8 ベースの KUSANAGI 9 を AlmaLinux OS 8 にマイグレーションする

オープンソースを活用する企業として

基調講演のあとは、AlmaLinux OS FoundationのBord Menber、Andrewさんによる「Building without following: RHEL compatibility for AlmaLinux’s Community」とBord Menberとの質疑応答「Meet the Board: AlmaLinux OS Foundation Board」のセッションが行われました。

Meet the Boardでは、コミュニティへの参加と貢献(contribute)を求めるコメントもありました。

貢献にも開発に参加することやフィードバックをすることによる技術的な貢献、スポンサーとしての貢献など、色々な方法があります。

オープンソースを利用するもの、広げて行くものとして、企業として何ができるのか、あらためて問われていると感じました。

最後にこのような素晴らしい機会をくださったbennyさんと、暖かく迎えてくださったコミュニティの方々への感謝とともに、今後も「貢献」について考え、取り組んでいきたいと思います。

#aldg

基調講演の質疑応答。私もステージにいたので、基調講演の写真はこれしか撮れませんでした…
会場の準備風景。
会場後方にはケータリングも
Building without following: RHEL compatibility for AlmaLinux’s Community
会場となったHotel Colosseoの中庭。雰囲気があります
登壇した皆さんとディナーのあと、ソーシャルイベントに
Many thanks

♪こちらのレポートご覧ください。
クラウドやCMSを取り巻くグローバル市場の状況 : AlmaLinux Day、CloudFest参加レポート

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