kusanagi 8から9への移行方法(KUSANAGIユーザーフォーラム便り)

<strong>kusanagi 8から9への移行方法(KUSANAGIユーザーフォーラム便り)</strong>

こんにちは、南波真之と申します。

こちらの記事では、KUSANAGIユーザーが交流している、KUSANAGIユーザーフォーラムにあるトピックスをご紹介していきます。

このフォーラムには、KUSANAGIの基本的な使い方から、インストール時・運用時のお悩みまで、様々な投稿がされています。

KUSANAGIについて、わからないところがある方はぜひご参加ください。

今回は、KUSANAGI 8とKUSANAGI 9についてのトピックです。

KUSANAGI8とKUSANAGI9について

KUSANAGIは、超高速なCMSの実行環境で通常のLAMP環境と比較するとページキャッシュ非使用時にも約20倍の高速化を実現できます。KUSANAGIについては、主要クラウドサーバやVPS、レンタルサーバなどで利用できる他、VagrantやDockerを使うことも可能です。

(参考:KUSANAGIとは

そんなKUSANAGIには、現在2つのバージョンが存在します。従来から提供されている「KUSANAGI 8」と新しくリリースされた「KUSANAGI 9」です。

大きな違いとしては、その構成にあります。

「KUSANAGI 8」の方は、CentOS 7.xをOSに、nginx 1.23.x、Apache 2.4.x、PHP8.0.x、 PHP7.4.x、MariaDB 10.3.x/10.5.xなどのミドルウェアが利用できます。

しかし、OSのCentOS 7は、サポート期限が近づいてきており、EOLは2024/6/30です。そのため、既存のシステムでCentOS 7を利用している場合はEOLを考慮していく必要がありますし、新しいシステムの場合はCentOS 7は選択肢に入れずに別の方法を検討する必要があります。

そこで、「KUSANAGI 9」では、OSはCentOS Stream 8, AlmaLinux 8の利用ができるようになっています。ミドルウェアとしては、nginxの1.23.x、Apache 2.4.x、PHP8.1.x/8.0.x/7.4.x、MariaDB 10.3.x/10.4.x/10.5.x/10.6.x/10.7.x/10.8.xなどが利用できます。

CentOS Stream 8 のサポート期限は2024/5/31ですが、AlmaLinux 8は少なくとも2029年まではサポートが継続される旨が公表されていますのでこれからKUSANAGIを利用する場合は、KUSANAGI9を利用するほうが良さそうです。

(参考:AlmaLinux

<寄せられたご質問>

kusanagi初心者となります。

現在AWSでkusanagi8を運用しているのですが、PHP8.1利用のためkusanagi9にて運用することとなりました。

kusanagi8から9へのバージョンアップはコマンド等では不可で、AWS AMIマーケットプレイスから新規にkusanagi9を構築する流れとなるのでしょうか。

また、新規サーバー立ち上げ後の移行に関してもツール等はなくSFTPやwordpressプラグインなどで実施するのが一般的なのでしょうか。

以上、宜しくお願い致します。

ご質問の詳細はこちらへ: kusanagi8から9への移行方法

<寄せられたご質問への回答>

> kusanagi8から9へのバージョンアップはコマンド等では不可で、AWS AMIマーケットプレイスから新規にkusanagi9を構築する流れとなるのでしょうか。

はい、そのとおりです。

ということは、ざっと次のような環境ですね。

・KUSANAGI 8: 8.4.6-2

・ Apache 2.4

・ PHP 7.4

・ MariaDB 10.1

KUSANAGI 8 含めすべてバージョンが古いので、今回アップデートするには多数の変更点が含まれます。

バージョン差分が大きいので、個人的にはバージョンアップを積極的に行うのはあまりしたくないというのが本音です。

なぜなら、これから KUSANAGI 9 の最新版に移行するので実質バージョンアップすることになり、現在の環境はバージョンアップで問題が発生することを起こしたくないためです。

作業工数が一番少ないのは kusanagi migrate コマンドなのですが、これはあくまでミドルウェアが揃えられる前提での話です。

ミドルウェアを揃えるための作業工数のほうがかかると思います。

他の方法でも問題はありません。工数としてはどの手法でもあまり変わりませんので、手慣れている方法で良いと思います。

安定的な移行をするには、現在のサーバーを稼働したまま移行(マイグレーション)しつつ、移行先でPHP8系の動作確認を行うのが良いと思います。

上記の注意点を考慮し、まずは移行した KUSANAGI 9 環境で、現在の KUSANAGI 8 環境と同じ状態で動作確認を行ってください。(MariaDB 10.1 はサポート切れの為除く)

その後で、1つずつステップに分けて動作確認を行ったあとでバージョンアップを行ってください。

前バージョンをいきなりアップデートしてしまうと、問題になった原因がわからなくなります。

ご質問の詳細はこちらへ: kusanagi8から9への移行方法

KUSANAGI 8からKUSANAGI 9への変更は慎重に

今回取り上げた質問では、KUSANAGI 8からKUSANAGI 9に切り替える際にどうすれば良いのかという内容でした。OS自体が変わることもあり、そのままアップデートというのはできず、新規環境をKUSANAGI 9で構築し、そこにアプリケーションなどを移設していく方法になります。

その中で非常にクリティカルになるのがバージョン差で、動作不良や問題が発生する可能性が少なからずあるため、1つずつ検証しながら移行していく必要があります。十分な準備が必要です。

このように、不明な点はフォーラムを使っていただくと良いです。KUSANAGI開発を担当しているメンバーも回答しているため、KUSANAGI関連でのお問い合わせであれば、まずはKUSANAGIユーザーグループのフォーラムに質問を投げてみるのもよいかと思います。

ユーザーの皆さんで KUSANAGIに関する質問や課題を持つ方は、ユーザーフォーラムに投稿いただくか、もし自社で対応が難しい場合やより高度なサービスをご希望される場合は KUSANAGI公式サポートサービスというプライム・ストラテジーのサービスもありますのでご検討下さい。

また、お仕事やプライベートでKUSANAGIを使っている、という方はぜひフォーラムの質問への回答者としてもご参加ください!

ユーザーフォーラムが活性化していくとよりKUSANAGIが盛り上がっていくと思います。

皆様のご参加をお待ちしております。

KUSANAGIユーザーグループサイト

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