事例取材担当 菱沼です。
先日、Ruby on Rails6.0が公開されたというニュースがありました。
Rubyと言えば、1995年に日本人によって開発されたプログラミング言語です。Rubyが発表された後、2004年にRubyを利用してWebアプリケーションの効率的な開発を可能としたフレームワーク、Ruby on Railsが海外で開発されました。このフレームワークの登場によって、Ruby
は本格的にアプリケーション開発言語として広く認知されるようになりました。
それ以降、RubyはPHPやPerl、Pythonといった言語と比較されながら、長い間、根強い人気を保ち続けています。
さて、そんなRubyにKUSANAGIが対応していることをご存知ですか?
今回はKUSANAGI for Ruby on Railsを利用してWebサーバを移設し、速度の改善にも成功したという事例をご紹介します。
■どんなサイトで使われてる?
Rubyは特に海外での人気が高いようですが、もちろん、日本でもよく活用されています。
Rubyさんによって開発された有名なサイトとして、下記が良く知られています。
(ちなみに、ちょっと調べた程度なので、今はもうすでに別の言語に代わっているサイトもあるかもしれません。あしからず。)
- Cookpad
- 食べログ
- SlideShare
- Gunosy(一部は別の言語。用途によって使い分け有。)
- Wantedly
- Airbnb
- GitHub
なお、Twitterも当初はRuby on Railsが利用されていましたが、グローバル展開後、利用者が増加したことによってJavaVMベースへ移行されています。
と、このように、利用されているサイトを見るとわかる通り、SNSやブログ、会員サイトといったところで利用されているようです。
サイトを制作する際、どんな機能を持たせるか、どうやって開発するかということを考えない人はいません。例えばコーポレートサイトのような、特殊な機能を持たせる必要のないサイトであれば、手っ取り早くCMSを利用してしまうこともあります。
またECサイトのような、特殊な機能ばっかりなサイトの場合、まるごとスクラッチ開発することもありますが、昨今は便利なサービスやCMSのプラグインなどが豊富にあるので、複数のシステムやツールを組み合わせて構築することもあります。
さて、今回ご紹介するENECHANGE様が運営するSIMCHANGEについては、WordPressとRubyによって開発されたものを組み合わせて構築されていました。
■WordPress×Ruby on Rails のサイトをサーバ構成をそのままに移行したい!
同サイトの場合、記事ページなどの静的なコンテンツをWordPressで構築し、診断ページや会員ページといった動的なコンテンツをRuby on Railsで開発されていました。そしてその二つを一つのサーバに共存させていました。
同社の場合、他にも複数のサイトを運営されており、すでにKUSANAGIをご利用頂いていたため、速度の改善に効果があることは実感済みだったそうです。そのため、表示速度に課題が出てきていたENECHANGEもKUSANAGIに移行したいと考えていたものの、上記のようなサイト構成だったため先送りされていました。
そんな中で、2017年にKUSANAGI for Ruby on Railsが公開されたことを知り、移行に踏み切ったのだそうです。
色々と試行錯誤を繰り返しながら移行した後に実施した負荷テストでは、期待した以上の数値が出た上、サーバの環境も以前と同じ構成のままにできたため、余計なコストを掛けずに済み、ご満足いただける結果となったとお話頂きました。
ENECHANGE様の事例の概要は下記になります。ぜひご一読ください!
ちなみに、SIMCHANGEの構成が具体的にどういったものになっていたのか、移行について参考にしたい方は踊るエンジニア カッシー様のブログもご参照ください。詳しく書いてくださっています。
事例:KUSANAGI for Ruby on Railsで余分なコストをかけずに希望通りの環境を構築
ENECHANGE株式会社 / SIMCHANGE
<課題>
- Webサイトの高速化
- 旧環境ではWordPressとRuby on Railsが同居しており、移設後も同構成を踏襲したかった
<課題>
- 体感速度も速くなり、サイト内検索をGoogle Custom Search APIからMroongaに簡単に置き換えることができた。
- Ruby on Railsに「KUSANAGI」が対応していることで、以前と同様にWordPressと同じ環境で構築することができたため、余計なコストを発生させずに済んだ
<お客様コメント>
私自身これを移設するまで、「KUSANAGI」についてそんなに詳しくなかったが、実際やってみてプロビジョニングのコマンドとかドキュメント、プラグインの使い方など、しっかりドキュメントが用意されていて使いやすいなと感じました。日本製でドキュメントがほとんど日本語なのもやりやすかったポイントの一つかもしれません。一方で、Ruby on RailsとWordPressが同居するにはどうしたら良いかとか、その辺の事例があればもっと移行しやすかったかなとは思います。あと、欲を言えばPythonにも対応してほしいですね。今後に期待させていただきます。
https://www.prime-strategy.co.jp/achievements/jirei_simchange/